西村修オフィシャルサイト(西村修後援会)

『明日への選択』・・・2

食事指導で青少年を更生させる

■この確信をバックボーンに、次に西村さんは、悩める青少年を食生活の改善によって救うための活動に取り組むようになる。

西村 私は千葉の九十九里でプロレス風トレーニングを教える道場を開いていたんですが、それをベースに2003年にフリースクールをつくり、病んだ青年たちを受け入れ始めました。日本には年間三万人の自殺者がいて、三百万人以上のうつ病からのひきこもりがいる現状を何とかしたいと思ったんです。スクールでは彼らとマンツーマンで修行しながら、完全穀物主義の食生活の下で、自分の精神状態と向き合わせました。
 ある青年は仕事への意欲が湧かず、昔のいじめによるフラッシュバックで、大量の薬を飲んでいましたが、薬を止めさせ、食事を自然のものに変えました。二週間も経つと、彼は日に日に感情のアップダウンが緩くなり、やがてめっきりと良くなりました。そうした食事改善を中心とした指導によって約20名の子を更生させることができた。そこでまた確信しましたね。身体と精神を健全にするのは確実に食である、と。
 その一方、私は出身校を皮切りに健康と食に関する講演を行うようにもなりました。ガンになるような食事ではいけないと力説すると、子供たちは「いい話だなあ」と聞いてくれます。でも家に帰れば好きなものを食べてしまう……。講演ばかりしていても、なかなか成果が挙がるものではない。かといって問題を抱える子供たちは世の中にどんどん増えていますから、状況は待ったなしです。これは何らかの行動が必要だと痛感しました。
 日本中が良くなるにはどうしたら良いだろう、と考えて思い至ったのが子供の食生活の四分の一を占める給食を変えることでした。それが子供の食事を改善する一番の方法に違いないと。ただ、現実に給食を変えるためには行政を変えなければならないわけですよ。そうなると「政治の世界に飛び込むしかないのか」などと考えるようになっていました。

「食の正食化」をスローガンに政治家に

■そんな2010年、西村さんの先輩の有名プロレスラー、武藤敬司さんに、次期参院選への出馬要請があり、これを機縁に西村さんは政界に身を投ずることになる。

西村 その時、武藤さんは政治に興味がないということで断ったんです。でも、傍で見ていた私は「こんなチャンスはない」と、思い切って手を挙げた。それで亀井静香先生の御指導を受けて参院選に挑戦することになったのですが、これが見事に落選。ボロ負けでした。
 しかし考えてみれば、一人で国政を変えることはできない。それよりもっと小さなエリアで結果を積み上げて、そこから発展させることならできるかもしれない。そうした考えから、翌2011年に「食の正食化」をスローガンに掲げ、地元文京区の区議会議員選挙に立候補し、今度は当選を果たしました。

■非常に強い思いをもって議員となった西村さん。ところが、現実の区議会には、食に関する問題意識など全くなかったという。

西村 給食といえば、とりあえず子供たちが喜べばいい。「美味しく・楽しく・残さない」という馬鹿げた三原則が最優先されるだけ。日本の未来を託す子供たちの食生活に何を提供するかということは物凄く重要なのに、そうした問題意識は微塵も感じられませんでした。大事なことが見えていないと思いましたね。
 私は食という観点からすべてを見ているので、他にも感じたことがたくさんあります。例えば、3.11後は、放射能対策が各委員会で議論されましたが、私以外の全員が放射能の数値測定のことしか言いません。しかし、保護者がなぜ放射能を恐れるのかといえば、子供たちが甲状腺のガンとか肺の病気になるからでしょう。それを防ぐには、測定ではなく免疫を高めるしかない。
 ガン検診も同じです。文京区では胃がん、子宮がん、乳がん、大腸がんの四大がん検診を四億円もかけて御丁寧にやっています。ごく小さながんでも見つければ抗がん剤だ、手術だ、放射線だ、となるわけです。しかし、私はガンをやったから、よく分かるのですが、それらは対処療法の域を出ない。より重要なのはやはり免疫を高めることなのです。
 やはり人を健康にするのは食事なんです。自然なもの、その土地で季節に出来た食材は、免疫を高めてくれる。血液がきれいになって、それが前頭葉に届いて、子供たちの善悪の判断を養い、精神を豊かにしてくれるんです。いじめ、体力・学力の低下、アレルギー問題など、これらはみな食に原因があります。非行、犯罪、不登校、キレやすい子供たちの人格を食の改善で是正しようと動き出した市町村も日本にはある。文京区はこれをどのように考えるのか。それが真の予防医学ではないのか、と。
 議員としての私のアプローチは、こうしたことを議会に問題提起することでした。でも最初はただ失笑を買うだけでした……。
 しかし、根気強く食の重要性を訴え続けていると、少しずつですが、耳を傾けてくれる人が出てきたんです。ひとつ形になったことが議員の視察でした。おととしの一月、食育で成果を挙げている長野県の真田中学校に、私も所属する文教委員会の議員八名で行ってきました。食に関する視察なんて、おそらく文京区では初めてでしょう。
 昨年の定例会では、給食改善について区長および教育長に、お二方がいつの日か「イエス」と言うまで、これからもしつこく、しつこく訴えさせていただきますと申し上げました。粘り強く提案を続ける。これが私の議員としての戦い方です。プロレスの戦法と同じですね。これも食の改善で培われたスタミナがあればこそのものですよ。

インタビューへ・・・3

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